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監督:宮岡太郎

1988年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。在学中、自主映画「エコーズ」(‘09)が東京学生映画祭の準グランプリ・観客賞をW受賞。テレビドラマの助監督などを経て遠藤憲一、松井玲奈主演の「gift」(’14)で商業監督デビュー。主な監督作品に「スミカスミレ 45歳若返った女」(‘16)「ひぐらしのなく頃に」(’16)「めがみさま」(‘17)「噂の女」(’18)「恐怖人形」(‘19)「怪奇物件探偵X」(’21)など。

COMMENT

私が映画「成れの果て」を作ることに決めたのは、2020年のコロナウィルスによる緊急事態宣言中、創作活動ができないなかのことでした。かつて2014年に本作の舞台(再演版)を観劇した際に、その人間同士がぶつかるエネルギーに圧倒され、いつか映像で撮ってみたいと考えていました。その思いが、コロナ禍でも創作活動を続けたいと考えたときに、私の心の中に強く立ち現れてきました。
本作に登場するキャラクターは、それぞれにコンプレックスや鬱屈した思いを抱え、いがみ合って想像もつかない方向へと突き進んでいきます。でも、人間って、人生ってそんなものかもしれないと思うのです。そんなリアルな人間、苦しみながらも必死に生きてゆこうとする人間のエネルギーを描きたいと、強く思いました。

「成れの果て」舞台の主宰であるマキタカズオミさんに映画化の了承をいただくことができ、緊急事態宣言中にリモートで、映画用のシナリオを一緒に作らせていただきました。その中で、私の中であるイメージが固まっていきました。

それが、主人公=萩原みのりさんというイメージでした。

萩原さんのお芝居を初めて拝見したのは「神さまの言うとおり」。その後も「表参道高校合唱部!」「ハローグッバイ」「昼顔」と、見る度に印象が変わるそのお芝居の力に圧倒されました。眼が動くたびにこちらの感情を揺さぶるような、繊細な表現力に魅了されて、「お嬢ちゃん」の時にはクラウドファンディングにも参加させていただきました。

2020年12月、映画撮影の時間が確保できるタイミングで、意を決して萩原みのりさんにオファーを出してみました、台本を読んでいただき、いただいた返答は「OK」。本当に嬉しく、満を持して本作の撮影開始を決めることができました。クランクイン前にも打ち合わせを重ねる中で、萩原さんが誰よりも深く深くシナリオを読み込み、役を掴もうとしているのが伝わってきました。
さらに柊瑠美さん、木口健太さん、秋山ゆずきさん、後藤剛範さん、田口智也さん、梅舟惟永さん、花戸祐介さんという役柄のイメージ通りの方々がオファーを快諾してくださり、ドキドキしながらも、クランクインを待ち遠しく感じました。

そして迎えた、撮影当日。

台本のイメージをも超えた、どこまでも人間らしくて、確実な体温を感じられる主人公と、個性溢れるキャラクターたちが現場に立っていました。
この壮絶で愛おしいヒューマンドラマを、一人でも多くの観客の方に見ていただきたいと切に願っています。

脚本:マキタカズオミ

1979年、鳥取県生まれ。脚本家。映像ディレクター。
主な脚本作品として、映画「思春期ごっこ」、映画「スリリングな日常」、TV ドラマ「横溝正史時代劇・人形佐七捕物帳」などがある。
監督としては、映画「ファントム・ジェニー」が、にじいろ映画祭にてグランプリ受賞の他、第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭、台湾国際クィア映画祭、ソウル・プライド映 画祭、北京クィア映画祭、ベルギークィア映画祭で上映された。
2020年からは「ほんとにあった!呪いのビデオ」の構成、演出を担当している。

2021年12月3日(金)より
新宿シネマカリテ ほか全国順次公開